最近はどちらかというと音楽系、工作系のネタが多かったので、久しぶりにプログラムの話にしました。
ものは「Scratch」というビジュアルプログラミング言語(VPL)です。VPLというのはプログラム言語に必要な命令とか条件分岐、繰り返しをビジュアルな部品を組み合わせて実現し、文字の入力は部品に設定するデータや定数などの必要最小限にするという発想の言語です。
設計図とそれを翻訳したプログラム文とのギャップを少なくしようという目的で色々工夫されてきましたがいまいち主流の言語にはなっていません。
Macでもかなり古株のユーザでないと知らない「Helix」「Double Helix」から始まり「Prograph CPX」というかなり高度な物までいくつかのVPLがありました。「Prograph CPX」は今は「Marten」となって生き残っていますが、Helixシリーズは消滅しました。ちょっと範囲を広げて「HyperCard」や「REALbasic」もVPLと言えなくはありませんが、あくまでGUIがビジュアルに作れるだけで制御ロジックは言語で書く必要があったので少し違います。
今回紹介したのはSqueak(これはネズミがチューチューという音)で作られた「Scratch」(キーキーとものをこする音)という代物です。
SqueakはSmallTalkというピュアなオブジェクト指向言語で開発されたSmallTalkの開発環境でGUIはビジュアルに開発できますが、制御ロジックは言語で書かなければなりません。でもScratchは教育用VPLという目的で開発されたのでまさにVPLとして、部品をビジュアルに並べて複雑なロジックのプログラムが書けるのです。
ビジュアルというのは子供達の直感にうまく働きかけるようで、英語を知らない7歳の日本の子供でも見よう見まねで英語版のScracthでプログラムが書けたという話を聞きました。
現在は日本語化されているのでますますわかりやすくなり、大人でも楽しくプログラムできます。残念ながらメジャーな普通の言語に比べてできることは限られていて、キャンバスに絵を描いたり、ビットマップ図形やテキストの移動や変形、それらのイベントに同期した音源の再生、後は変数やリストを定義しての演算というレベルなので一言で言うとアニメーション作成ツールということになります。
動かせる図形は現状ではビットマップに限られているので見栄えのするプレゼンやアニメは作れませんが、逆にヘタウマ路線で目立つアニメは作れます。
以前の「Helix」「Prograph」に比べてブロック、ループや分岐のロジック構成が簡単にわかりやすく作れるのもいいところです。
Scratchユーザのホームページもあり、YouTubeのようにメンバーの作品が公開されています。
この紹介記事も参考にしてください
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