毎度おなじみのAppleScriptのお話です。ただし、今回はひと味違います。なんといっても、発売から日も浅いMac OS X 10.6 Snow Leopard上のAppleScriptが、どれだけ強化されたのかというのがテーマ。
歴史を振り返れば……System 7の頃、いわゆる「Macっぽい」Apple独自の技術が雨後のタケノコのようにいくつも登場。PowerTalk、OpenDoc、QuickDraw GX……いろいろありましたが、一握りの技術だけが現在まで生き残っています。目下消えつつある技術には、WebObjects、Carbon、QuickTime VRなどがあり、生き残った技術にはQuickTimeやKeychain、そしてAppleScriptがあります。
Snow LeopardでAppleScriptの実行環境が64ビットネイティブ化(ただし、内部の数値演算精度が上がったりはしていない)。さらにAppleScriptエディタ上での複数スクリプト同時実行や、AppleScript Studioのかわりに導入されたAppleScriptObjCでCocoaを直接呼び出せるようになるなど、久しぶりにAppleの「やる気」が見られる(ような気がする)仕上がりになっています。
もうひとつご紹介したのが、イーブック・イニシャティブ・ジャパンの電子ブックリーダー「ebiBookReader」Mac OS X版。Intel Mac専用でMac OS X 10.5.6以降で動作します。目下、3万冊程度の電子ブックをオンラインで購入できるようになっており、MacでもiPhoneでもWindows PCでも読める環境が提供されています。ただ、iTunes Storeで買った音楽よりはるかにDRMが厳しく、あらかじめ登録しておいたマシン(2台まで)の間で、オンラインストレージの「トランク」サービス(50冊分まで無料)を介して「ムーブ」することになります。
ほとんどの本で、最初の1話分ぐらいを無料で読める「立ち読み版」が用意されており、とりあえず立ち読み版を読んでみて、気に入ったら購入するとよいでしょう。
電子ブックのサービスは数多くありますが、まだどのサービスが決定的になるか分らず、来年早々にAppleが電子ブックリーダー市場を見据えたタブレット機を出してくるとの噂もある中、購入したコンテンツをダウンロードして「所有」できるイーブック・イニシャティブ・ジャパンのサービスは、Webブラウザごしに読むような「所有できない」サービスに比べて安心感が(個人的には)あります。
実際に、購入した電子ブックの「本棚」をご披露したところ、会場からは「床屋みたいだ」「まるで、友達の家に遊びに来たような錯覚が」「ゴルゴ13は外せませんな」など、歓声が上がっていました。
実際に、自宅や喫茶店などでMacBook Pro 17インチで読んでいますが、外付けディスプレイ(しかも縦横回転機能つき)で拡大して読むとなお快適。本棚を持ち歩く体力はなくても、ノートのMacを持ち歩くだけでどこでもリッチな読書を満喫できます。しかも、どれだけ買っても「置き場所はどーするの?!」と家族に怒られることはありません。
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