山本(ジャマ)さんがインクジェットデカール紙を紹介されたので、引き続きカラオケマイクジャックのようにデカールのお話しをしました。
デカールはプラモデルや金属物などにロゴやイラストなどを水転写するものです。通常のシール紙やタトゥーシールは貼った後に位置の修正が難しく厚みがあるなどの弱点がありますがデカール紙はその心配が少ないです。
自作用デカールは大きくインクジェット方式と熱転写方式とに大別され前者は製作が簡単で写真やグラデーションのあるものもできます。しかし水に弱く滲み対策が必要であったり、なによりもベースが黒や濃紺、赤などの素材に貼ると、透明紙はもとより白色紙でも透けてしまうことや素材の輪郭に合わせて白ベースを作れないと言う欠点があります。一方、熱転写の代表であるALPSのMicrodry Printer(現行MD-5500)はインクリボンのため、特色ホワイトやメタリックゴールド、メタリックシルバー、本物の金のようなフラッシュゴールドなどが使えます。
特に特色ホワイトはデカール作りには必須で、画像や文字のとおりに白でプリントできページ合成という機能で何度か重ね打ちすることで下地の色を完全に隠蔽することも可能です。(これは素晴らしいです)
カラー印刷は単純にカラーモードでもプリントできますが網点がでて美しくできません。単色印刷で本物の印刷のようにC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)に分けて重ね打ちすることでより綺麗にプリントできます。(手間は非常にかかりますが…)
私はAdobeのIllustratorで主にデータを作成しPhotoshop(PSD)のレイヤーに書き出してプリントしています。IllustratorデータのままですとPDF(Postscript)系のためかビットマップに比べ出力が汚くなります。
こうして出来たデータを熱転写紙用デカール紙(数社から発売されています)にプリントしますが、リボンインクは定着が弱いため表面にクリアースプレーで塗装し定着させます。GSIクレオスのスーパークリアーや水性トップコートというスプレーを主に使用しています。
このALPS MicroDry Printerは現在通販のみの販売で、Mac OSはMac OS X10.4までとHPではうたっていますがテストの結果では10.5で使えます(自己責任でお願いします) 。Intel Macは残念ながら非対応でテストしましたが一部のロゼッタ対応アプリからの出力はできますがほとんど使えません。
Mac OS 9用のドライバー、Windows 2000,XP用のドライバーがあり全てテストしましたがなんとMac OS Xが一番相性が良いようで、同じデータを同じアプリから出力するというテストで最も美しくプリントされました。
またの機会に製作プロセスのご紹介とか裏技などの秘技ご紹介や、他のシール紙、タトゥーシールの楽しい使い方など、画像処理とフォントを使ったネタをご紹介出来ればと思っています。どうぞご期待ください。
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